ぶどう山椒
清水とぶどう山椒
有田川町(旧清水町)遠井(とい)地区は、ぶどう山椒発祥の地。その名のとおり、ぶどうの房のように実ります。粒形は大きく肉厚、さわやかな香りで“緑のダイヤ”と呼ばれるほどの最高級品です。和歌山県は全国の山椒の収穫量の70%以上を占めており、なかでも有田川町(旧清水町)は和歌山県の収穫量の67%を誇る有数の産地です。
和歌山県しみずの山椒栽培の歴史は古く、清水町(現有田川町)の山椒栽培の歴史は古く、江戸時代から薬用として栽培されており、その後、香辛料としても生産されてきました。ぶどう山椒のはじまりは、天保時代(1830-1844)、遠井(とい)村の医要木右衛門(いおきかんえもん)の庭に自生していたものを植え替えたことが始まり、長峰山系に広く栽培されてきたと伝えられています。
ぶどう山椒の特徴
山椒はミカン科の低木です。浅根性植物で排水のよい乾燥した場所を好みます。栽培には、西日が当たらず、日照時間が短い中山間の傾斜地が適しています。このため、清水の遠井(とい)地区をはじめとする、標高500~600mの地域を中心に栽培が広がっていきました。
ぶどう山椒とは、山椒の品種名で、実がぶどうの房のようになることからそう呼ばれてきました。一粒一粒が他の品種に比べて大きいのが特徴です。ぶどう山椒には葉や茎に鋭いとげがあり、 収穫の時に手間がかかることでも知られています。
栽培している品種は、実が大きく、果肉が厚く、辛味が強く、ブドウのように実がつくことから、ぶどう山椒種と呼ばれています。収穫されたぶどう山椒の大半は、天日干しで干山椒にし香辛料としてメーカーに出荷されています(一部は薬品会社に生薬の材料に)。
主に若芽・若葉は添え物として、花は漬物(花山椒)として、果実は佃煮やちりめん山椒として用いられ、一般的に知られている粉末状の香辛料は果皮の部分を使ったものです。また、山椒の枝はすりこぎとして使われています。